ハーフ牧師がゆく 19話

不思議な、夢を見た。

 

 

夢の中で私は、

二人のハーフの兄弟に、

洗礼をさずけている。

 

水から上がった二人には、

葉っぱが、

巻き付いていた。

オリーブだ。

 

 

 

なんだそりゃぁ?

変な夢。

 

 

 

 

数日後、

聖書の学び会の時に、

S先生にその夢の話をした。

「神さまからの、

洗礼を受けるようにとの、サインじゃないの?」

と、言われた。

 

キリスト教が、

他の宗教と全く違う点は、

「啓示」宗教である、

という点だ。

 

他の宗教には、

教祖のような存在がいる。

神、もしくは神の代理人として、

神のみ告げを語る人。

信者はそれに従う。

 

 

自分の人生のハンドルを、

人に握らせるなんて、、、

俺には考えられない。

 

キリスト教はまったく違う。

 

神は直接その人に語られる。

神さまとの親子関係に入ったのだから、

当然だ。

 

神は主に、

聖書のみ言葉を通して語られる。

しかし時に、

人や状況を通して、

また、夢を通しても、

語ってくる。

 

だから面白い。

 

 

人生ががぜんと、

面白くなってきた!

 

神さまのみ前には、

牧師も信仰の初心者も同じ。

どっちが上で、どっちが下かなんて、ない。

 

どっちも尊い神さまの子ども。

だから教会では、

お互いを、家族であると意識して、

その名に、兄弟、姉妹、とつけて呼び合う。

「ブラザー、ジョニー!」

いいね。

 

寂しかった私にも、

大勢の家族ができた。

「家族は何人?」

と聞かれたら、

「約20億。」と、答えることにしよう。

 

 

 

だけど、

気をつけなければいけない。

 

悪魔も、

神さまのマネをするからだ。

 

悪魔は実在する。

霊なので見えない。

が、存在する。

 

悪魔は神さまのふりをして、

人間に近づき、

語りかけて来る。

ウソ、を。

「お前なんか、〇んだほうがいい。」とかね、、、

聴いたことある?

 

 

だからその「啓示」が

神さまからなのか、

悪魔からなのか、

それを受けた人は、

信仰の先輩に相談するのだ。

 

「牧師」は聖書を何年も学んでいるエキスパートで、

専門家だ。

その助言には、

耳を傾ける必要が、必ずある。

 

聖書のみ言葉や啓示を、

自己解釈すると、

ひどい目に遭う。

 

悪魔は罠を張って待っている。

 

 

キリスト教とは、

理にかなった信仰だ。

 

 

数日後、

 

S先生家族と、

ドライブに出かけた。

サンアントニオの郊外の、

湖にやって来た。

綺麗な景色だ。

 

あ~。

ここはアメリカなんだな。

沖縄とは違う。

「S先生。

私、ここで洗礼受けること、

出来ますか?」

私の洗礼式は当初、

アメリカ人の教会の洗礼場を借りて行う予定だった。

 

だが目の前に、

こんなにも素晴らしい湖が広がっているのだ。

 

ここで洗礼を受けたい。

 

いや、

違う。

「早く、洗礼が受けたい。」のだ。

 

S先生は優しい。

ユニークで、ユーモアがある。

洗礼を、

引き受けてくださった。

 

「S先生。ありがとう。」

水の中に入る。

 

信仰問答が始まった。

「では、

ジョニー君。

今、君の全ての罪が、

キリストの流された血によって、

許される。

聖められる。

 

だから、ジョニー君。

君が覚えているかぎりで、構わない。

 

君が過去に犯した罪を、心の中で、

神さまに、悔い改めるお祈りをして。

 

それが終ったら、声をかけて。」

 

「はい。」

 

私は覚えているかぎりの

過去に犯した罪を、

神さまに、

告白した。

 

小学一年の時、

友達が持っていた「てれびくん」という雑誌が

どうしても欲しくて、

服の中に隠して、

持ち帰ってしまった、

あの罪。

 

どうしてもお金が欲しくて、

お母さんの財布から、

お金を何度も

抜き取った、あの罪。

 

誰もいない早朝、

ジョギングをしてる、ふりをして、

エロ本の販売機で、

それを買って走って逃げた、

そしてそれを見た、あの罪。

 

虐められている子を見て、

助けてあげられなかった、

あの罪。

 

・・・・・・

思い出せば、きりがない。

(恥ずかしくて、ここに、書きだせない、、、)

時間が足りない。

 

何と、私は、

罪の深い人間か、、、、

 

こんな私の罪のために、

イエスさまは、

身代わりとなって

苦しんで、

苦しんで、

 

苦しんで、

死んでくださった。

 

なんと申し訳ないことか。

なんと在り難いことか。

 

イエスさま、

ごめんなさい。

 

イエスさま、

ありがとう。

 

 

だれでもキリストのうちにあるなら、

その人は新しく造られた者 です。

古いものは過ぎ去って、

見よ、すべてが新しくなりました。

Ⅱコリント5:17

 

私は「洗礼」を受けた。

今日から私は、

 

クリスチャン!

 

 

次の日、

デンチャとアゴステーニに、聞いてみた。

「なぜ二人、日曜、教会に行かない?」

 

二人はそれぞれ、何かを懸命に説明してた。

でも何を言っているのか、

さっぱり分からない。

「 10% オーッフェリング(offering)」

はぁ?

10パーセント?

オッフェリング?

 

何のことだ?

 

その10%や、

オッフェリングというのが、あるので、

教会には、行けない、

と言っているようだ。

 

何のことだ?

 

 

次の日曜礼拝、

私はクリスチャンとして、

初めての献金をした。

はてさて、

どれぐらいを献金して良いのか分からない。

 

でも、

イエスさまが私のためにして下さったことを考えると、

給料のすべてを奉げても、

足りない気分だ。

 

でも、全部献金すると

生活が出来ない。

 

私は申し訳ない気分で、

給料の半分だけを、

献金することにした。

 

「こんなにささげて、大丈夫?」

「へ?」

聖書に出て来る、

神さまに従った人たちは、

アブラハムもヤコブも他の人たちも、

みんな収入の十分の一を、

神さまにお捧げしていた。

え~?

たったそれだけでいいんですか?

私は「安い」と思った。

 

ルカ福音書 7:47

多く許されたものは、多く愛する。

 

多くの罪をゆるされた私には、

本当に安く感じた。

今でもその気持ちは、

変わらない。

 

 

そうか。

デンチャとアゴステーニが言ってた「10%」や

「オッフェリング」とは、

「十分の一献金」のことか。

でも、10分の1献金を奉げることが出来なくて、

教会に行けない人たちがいる。

 

そういう人は、本当に、

お金で苦労した人たちなんだと思う。

 

そういう人は、

10分の1献金を、

しなくていいと思う。

 

なぜなら、

救いは「恵み」だから。

 

エペソ書 2章 8,9節

あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。

それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。

行いによるのではありません。

だれも誇ることのないためです。

 

「恵み」の反対語は「報酬」。

 

「報酬」とは頑張った人が受けられる「当然の報い」。

「恵み」はその逆。

神さまからの良いものはすべて「恵み」。

 

それならば、

10分の一献金は、

出来る人はささげて、

出来ない人は、

十一献金ができる信仰を持てるまで、

喜んで奉げられる範囲で、

捧げたら良いと思う。

 

いつか、

私もキリストの身体の欠けた部分(負債・必要)を満たしたい。

そう思う日が来たら、、、

 

コロサイ1:24

キリストのからだ(教会)のために、

私の身をもって(奉仕や献金)

キリストの苦しみの欠けたところ(教会の必要や負債)を満たしているのです。

 

そう思う日が来たら、、、

10分の一献金をしたら、良いと思う。

 

それに聖書には、

ひとりひとり、いやいやながらでなく、

強いられてでもなく、

心で決めたとおりにしなさい。

神は喜んで与える人を愛してくださいます。

2コリント9:7

とも、ある。

 

私はS先生から、

聖書から、

そう学んだ。

 

私は本当に良い教会で救われた、

と思う。

 

 

デンチャとアゴステーニは

教会に行かない。

10分の1献金が出来ないので、

教会に行かない。

 

デンチャとアゴスティーニが行っていた教会の新任の牧師は、

十分の一献金を

信徒に強要してきたらしい。

 

二人は大好きな教会に、

行けなくなった、、、

 

私は悲しい。

 

イエスさまは、

たぶん、

もっと悲しい。

十一献金が出来ない人が、

居られない教会なんて、

そんなの

間違っている。

 

心の弱い人を食い物にする教会が、

本当にあるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

礼拝後の、

楽しい食事の後、

S先生が「大事なお知らせ」がある

という。

なんだろう。

 

S先生。

私、何も出来ませんが、

出来ることは、

お手伝いしますよ。

 

何だろう?

お知らせって、、、、、

はぁ?

招聘された?

教会を閉鎖する?

は?

はぁ?

 

 

あんだって~???????????????

 

 

 

 

人生一寸先は、

闇。

 

何が起こるか、

本当は誰も、

分からない。

 

 

あぁ、

神さま。

 

私たちを、

退屈させないお方よ。

 

What`s next  ?  次は何ですか?

 

 

 

 

 

ハーフ牧師がゆく 19話

続く、、、、