子ども食堂について

教会の子ども食堂は、

貧困家庭の子に、無料で食事を提供するため、2015年11月にスタートしました。

 

 

とくに記憶に残っている人たち(利用者)のことを、書いてみました。

興味がありましたら、どうぞ。

 

 

 

 

 

つきしろキリスト教会・子ども食堂

 

 

 

Aくん

 

朝、

外に出ると、

停めてあった私の原付バイクのタイヤが、

前後とも、

パンクしていた。

 

 

「あぁ、A君か・・・」

 

 

A君は、

昨年から時々、子ども食堂に顔を出すようになった、

中一の男の子。

 

 

家は、お金に困っているわけではないが、

友だちと上手く関係を築くことが出来ず、

いつも一人で、

遊んでいる。

 

 

教会の前で、

暇そうにしているので、声をかけた。

それ以来「子ども食堂」に

来るようになった。

 

 

彼は時々、

火や、刃物、を使って遊ぶ。

 

それで私は怒って注意する。

すると、

決まって次の日は復讐される。

 

 

「A君、ごはん食べた?」

「いいえ」。

 

即席ラーメンをテーブルに置くと、

直ぐに食べはじめる。

 

昼間は学校に行かず、

母親から貰ったお金で、お菓子を買って食べ、

ゲームをして日中を過ごす。

 

 

「校長先生は居ますか?」

私は中学校を訪ねて、事情を話した。

 

学校は、

「母親が電話に出ないので、

長期の風邪(扱い)で欠席にしています。」という。

 

 

次の日から、

校長先生自らが、

A君を家まで迎えに行くようになった。

 

しばらくは校長室が、

A君の教室になりそうだ。

 

A君、

学校に居場所を見つけると良いなぁ。

 

校長先生の車も、

無事であると良いなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北国の母子

 

携帯が鳴った。

「……すみません。私、〇〇と言います・・・

病気になってしまい、来週から、しばらく、

入院することになりました。

申し訳ありませんが……子どもたちの、夕食を、お願いできないでしょうか? 」

 

 

3 人の子を、

一人で育てている母親からの、

電話だった。

 

「大丈夫ですよ。お待ちしています」。

 

 

夕方、

不安げに、

小学生の兄弟2人が、

教会へやって来た。

 

ニッコリ笑って歓迎し、

テーブルに案内する。

 

2人は夕食を食べ終わると、

教会の中を探検し始めた。

 

高校受験を控えているという兄のためにも、弁当を作り、

3人の次の日の朝ごはんも、

用意する。

 

暗い夜道、

2人をアパートまで送り届け「バイバイ」する。

 

 

数週間後、

母親が退院して教会にやって来た。

 

「本当にありがとうございました」

長男は学費のいらない自衛隊高校に合格したという。

 

「先生。私、子どもを連れて実家に帰ることにしました。」

「そうですか。」

 

出発の日の朝、

私は家内と共に、彼らのアパートを訪ねた。

 

2人の子は、私を見つけると、

飛びついて来た。

ぎゅっと2人を抱きしめた。

 

「主よ。この子たちをお守りください」

涙が出て来た。

 

この家族は、

寒い北の国に帰って行った。

 

 

 

 

 

疲れたFさん

 

Fさんは、

元タクシー運転手

 

数年前、

奥さんが 4 人の子を連れて出ていき、

それ以来「うつ」が再発している。

 

昼間は部屋で寝て、

夕方、子ども食堂にやって来る。

 

「今日も食べに来てあげたよ」

「ありがとう」

 

私は素早く食事を作る。

 

「お金はない」

でも「何もやる気が起きない」と、Fさんは言う。

 

私は背中に手を置いて祈ってあげる。

 

市の担当者に電話して、

一 緒に家庭訪問をして、仕事を紹介してもらった。

けど仕事は長続きしなかった。

 

結局Fさんは障害者認定がなされ、

障害者年金が受給できるようになった。

 

でも、今も昼間は寝込んでいる。

夕方はコンビニに行って食事を手に入れているようだ。

 

お金が入ると「食堂」には来なく なった。

 

「 主よ。Fさんがいつか、元気になりますように。

家族がまた一緒に暮らせますように・・・」

 

 

 

助けられなかった子ども達

 

2015 年 10 月16日、朝、

読谷村の海・・・

 

C 子は 、

4 歳の女の子と、

生後 10 カ月 の男の子を、

両手に抱えて、

海に向かって、歩き始めた。

 

「ママ、 恐い」

 

C子は2人を抱えたまま、、、

深みに入って行く・・・

両腕はもう、水の中だ・・・

 

見ると、、、、

水の中から、2人の子が、、、

大きく目を開いて C子を 見てる、、、

 

泡を吐き、

もがいている・・・

 

 

(ママ! どうして?)

 

(ママ!  苦しい! )

 

(ママ! 助けて! )

 

 

 

2人の子は、

しばらくして、

動かなくなった・・・

 

 

 

C 子は、

2人を砂浜に置くと、

後を追った。

 

 

が、

死に切れなかった。

 

 

わが子を殺した罪で、

C 子は、逮捕された。

 

 

報道によると、

唯一の身寄りだった母が他界し、

将来を悲観して、

無理心中を図ったとのことだった。

 

 

頼る人もなく、

お金もなく、

食べる物もなく・・・

 

ひもじい思いをしていると、

子どもたちと一緒に逝こう、、、と

思ったのだという。

 

最愛のママに、

海に沈められて、

子どもたちは、

さぞ、

悲しかっただろう・・・

 

怖かっただろう・・・

 

苦しかっただろう・・・

 

 

かわいそうな子どもたち

あわれなC 子・・・

 

 

 

私は新聞を握りつぶして泣いた。

「主よ。来てください」

 

 

 

数日後、

テレビで「子ども食堂」の存在を知った。

 

子ども食堂とは、

貧困家庭の子に、

無料で食事を提供する居場所のことだ。

 

沖縄県内で最初に「子ども食堂」を始めた

「ももやま子ども食堂」に電話した。

そして代表者から、

心得や、必要事項を教わった。

 

「食堂をやる資格? 許可? 食事は無料で出すんでしょ?

じゃぁ要らないよ。

 

でも、思ってるほどは、子どもは来ません。

だから、がっかりしないでください。

 

でも、そういう子は確実にいます。

だから、

そういう子は来ますから、

無理せず、頑張って、続けてくださいね。」

 

背中を押してもらった。

 

私は手書きで看板を描いた。

 

3年前のことである。

 

 

最初に「子ども食堂」に「お客(?)」が来たのは、

開所から、2か月後のことだった。

 

暗い夜道を、

二人の小学生が、

低学年の子が、とぼとぼと、

隣の集落から、歩いてやって来た。

 

大歓迎して、

お腹いっぱい、食べてもらった。

 

あれから3年半が経った。

今までで350人ほどが来た。

 

大人のホームレス、

女子中学生、

小学生と保育園児、

一番多いのは、

事情を抱えた母子である。

 

今、利用者は落ち着いている、

二週間に、一親子ぐらいが来る。

 

まだ来るからには、

止められない。

 

うちは、教会立の食堂なので、

公的機関から援助はない。

 

心ある人たちの寄付と、

我が家からの「持ち出し」である。

 

 

だから、

誰かが食堂に来たら、

食事を提供するだけではなく、

その人の必要の本質を、出来るだけ早く見極める。

 

「食事だけ」でなく、

何かの支援が必要ならば、

「それ」を行っている行政機関に繋げてあげる。

 

 

C 子のような女性が、

この国には、まだまだたくさんいる。

 

人が苦手、誰にも相談できない、

そんな人が。

 

 

教会のドアを開け、

今夜も闇夜に灯をつける。

 

さぁ、今夜もオープンだ。

 

もしかしたら

子連れの、別のC子が、

今夜は来るかも、しれないから……

 

 

 

 

 

神奈川県議の保守派の先生方が見学に来られました ↓

南城市の貧困対策の取り組みを、なぜか私が説明しました。 ↑

 

南城市が経営する子ども食堂は、うち以外に、2か所あります。

南城市・社会福祉協議会のみなさんも、いつも頑張っています。

 

神奈川県議会の県議のみなさん ↓

写真は、私と家内と、自民党の先生方と、公明党の先生(珍しい・・・)です。

 

保守派の先生方、

そうめんやツナ缶の寄付、ありがとうございました。

 

 

そして中山さん、

いつも、ありがとうございます 😊

 

 

ひろみさん、

ありがとうございます 😊

 

 

島尻あい子先生、

沖縄の貧困対策に、10億円もの予算を持ってきてくれて、

ありがとうございました。

当時、

沖縄県には10億円、南城市には、5000万円が補助されました。

 

当時の市長だった古謝さんから、

「教会は、支援はいるか?」と、間接的に聞かれましたが、私たちは辞退しました。

 

「自発的にやるから、意味がある」と、断りました。

でも、古謝市長、その心、

ありがとうございました 😊

 

 

 

 

本当は、

子ども食堂なんてものは、

無い方が良いんです。

そういうモノがある社会は、何かがおかしいんです。

 

でも、今はそういう時代なのですから、

「子ども食堂」、

出来る間は、続けてみます。

 

さぁて、適当に頑張るか・・・・

 

 

 

 

あなたに、

神さまの祝福がありますように。

 

そして、

ひもじい思いをする子どもが、どうか一人でも減りますように。

 

全国の子ども食堂や、

支えてくださる方々の上に、

神さまの豊かな祝福がありますように。

 

どうか、無理心中する家庭が、日本からまったく無くなりますように。

日本のすべての家庭が、

祝福されますように。

 

 

GOD BLESS JAPAN!

 

 

つきしろ教会・子ども食堂

代表・ハーフ牧師より