学院の神学生たちに誘われて、大阪の都心に、平日の夜に出かけた。
電車を降り、都会のビル街を歩いて、一つのビルに入って行った。
エレベーターを降りると、ビックリした。
そこに200人ほどの人が集まり、賛美集会が行われていた。
そして、聞いたことも無いような、好戦的な賛美歌が聴こえてきた。
「聖戦をふれよ♪ 聖戦をふれよ♪ 勇士達よ立て~。
鋤(すき)を剣に! 鎌を槍に打ち直せ! 」
あれ?
戦争とか、
戦(いくさ)とか、
キリスト教では御法度じゃ無かったっけ?
ところが集まった人々は、
賛美リーダーに合わせて、立ち上がって、汗を流して、歌っていた。
ギターを弾きながら熱唱している人物は、
小坂忠という、元プロの歌手の牧師だった。
すごいな。
賛美が終わると、
真っ白いスーツを着た、
ハンサムな男が出てきた。
「昼でもアーサー! 夜でもアーサー!
アーサー、アーサー、アーサー・ホーランドでーす!」
何だこの人は?
日米ハーフの宣教師だった。
それは、
初めて聞くタイプの説教だった。
いや、
漫談だったかもしれない。
時を忘れて聞き入った。
笑いあり、
涙あり、
聴く人を引き付けて離さない、
体験談を交えた、
生きた説教だった。
凄い!
面白い!
聴衆は、
神への再献身を誓って会場を後にした。
凄いものを見せてもらった。
賛美歌が、
説教が、
教会の集会が、
エンターテイメントだった。
これなら日本にもリバイバルが来るのではないか?
イエス様を伝える牧師にも、
いろんな人がいるものだと感心した。
次の日、
新聞を読んでいた同級生の白鳥兄弟が声をかけてきた。
「すごいよ。大阪に『キリストさん』って呼ばれている人がいるんだって」。
私は新聞を見た。
大阪の貧民街で、
夜回りをして、
ホームレスのお世話をし、
おにぎりや、温かいお茶を配って歩いている
神父がいるという。
「神父?」
カトリック教会?
カトリックといえば、
異端である。
しかし、
凄い牧師はたくさんいるが、
『キリスト』という称号を第三者から受ける牧師はいない。
いったいどんな人物だろう?
私は学院の休みに、
その人物を訪ねてみることにした。
ハーフ牧師がゆく つづく…







