ハーフ牧師が行く 21話

「聖書」を読むようになると、

他の本が、楽に読めるようになる。

 

 

 

サンアントニオ日本人教会には、

小さな「図書棚」がある。

私は毎週、

何か本を借りて読んだ。

 

 

海外で日本語の本が読めるというのは、

とても有り難い。

 

それに、

信仰の先人たちの証しは、

実に面白い!

 

神さまは、

国を超えて、

言語を超えて、

時代を超えて、

世界中で働いておられる。

 

 

 

神さまは、

アダムとエバの子供たち(人類)が、

サタンと一緒に「滅びる」ことを良しとせず、

主イエスを信頼する者と共に働き、

失われた人々を

救い出してくださる。

 

 

そういう記録を読むのは、

実に、面白い。

 

 

それに、

今も現在進行形で、

世界中で、

伝道者や牧師が働いている。

何て素晴らしい生き方があるんだろう!

 

世の中には、

素晴らしい職業がたくさんある。

 

お医者さん、

警察官、

消防士、

色々ある、、、

 

でも、

こんなにも尊い「生き方」は

他に無いのではないか、

と私は思う。

 

お医者さんや

看護師さんは、

人の命を少しだけ、

長らえさせることが出来る。

尊いお仕事だ。

 

でも牧師は、

その人に信仰によって自尊心を与える。

生きる希望を与える。

 

さらに、

死の向こう側にさえ、

天国の希望と、

不死の身体でのよみがえりの希望を与える。

 

栄光の身体で、

永遠に、素晴らしい天国で生きられる希望を与える。

 

愛する人たちと、

涙の再会を果たす希望を与える。

 

 

こんなに素晴らしい仕事は他にない、

と、私は思う。

 

それに、

こんなに心躍る「生き方」、

スリル満点な「生き方」は、

他に無い、

と、私は思う。

 

 

こんな「生き方」がしたい。

私もイエスさまを伝えて生きていきたい!

 

たった一度の人生だ。

悔いのない人生を送りたい。

この世で最も価値のある事のために、

この人生を使いたい!

 

あぁ、

イエスさま。

 

大好きな、

イエスさま。

 

私も何か、

お手伝いさせてください。

 

 

 

 

 

 

教会図書の中に、

私の忘れえぬ数冊がある。

たとえば、

 

三浦綾子の

「ちいろば先生物語」である。

 

「ちいろば」先生こと、

榎本保郎牧師の一生を書いた本である。

元陸軍将校だった榎本保郎は、

敗戦で「生きる希望」を失ってしまう。

 

しかしイエスキリストに出会って

救われる。

 

彼はすぐに神学校に行き、

お寺の多い京都で、

世光教会を設立する。

 

そしてあの、

日本を代表する名牧師、

「ちいろば先生」となるのである。

 

 

 

 

それから

「我、土方なれど」も、

素晴らしい。

感動した。

農産省の幹部になることが約束されていた青年が、

キリストを信じる素晴らしさのゆえに、

全てを捨てて、

郷里に帰り

「土方」をしながら

「キリストを宣べ伝える」

という、

新城教会の創立者、

滝元明牧師の自伝である。

 

 

牧師?

 

牧師。

 

牧師になる?

 

私は身体が熱くなるのを感じた。

 

 

S氏は、

S牧師は、

東京出身の、

中学校の教員だった。

大学を出て、

教師になり、

家庭を持ち、

 

でも、

何かが欠けている、、、

 

人生で大切なはずの、

何かが、、、、

S氏は、

哲学、

宗教、

色々文献を調べるが、

納得する答えがない。

 

職種を変えて、

心機一転してみる。

証券会社で働きだす。

 

「お金が人生の全て」なら、

「働くことはお金のため」だけ、なら、

証券や金融取引だ。

 

しかしそこにあったのも、

虚しさだった。

 

 

人生の答えは、

いったい何だ?

 

 

そんな時、

日本に、

「マザーテレサ」がやって来た。

日本は空前の

「マザーテレサ・ブーム」になる。

 

S氏も、

彼女の活動に感動する。

貧困者の気持ちを思い、

自分も一週間、

食を絶ってみたりする。

そしてその分の食費を、

寄付してみたりする。

 

 

そんな時、

日本の教会が、

フィリピンの貧民地区で働く

ボランティアを募集していることを知る。

 

 

S先生は休暇を取り、

フィリピンへ行く。

キリスト者らと一緒に、

ボランティア活動をする。

S氏はやがて、

人々に頼りにされるリーダーとなる。

 

しかし、

夜は、

宿泊先の教会を抜け出し、

地元のバーに入る。

カウンターで酒を飲み、、、

しばらくまどろみ、

教会に帰る。

 

その時だった。

 

地元の牧師に現場を

見られてしまう。

 

その時、

神の言葉が、

聞こえて来た。

 

覆われているもので現わされないものはなく、

隠されているもので知られずに済むものはない。

ルカ福音書 12章2節

 

なぜなら、

私たちはみな、

キリストのさばきの座に現れて、

善であれ悪であれ、

各自その肉体にあってした行為に応じて

報いを受けることになる。

第2コリント書 5章10節

 

 

 

 

神を恐れよ。

神の命令を守れ。

これが人間にとって、

すべてである。

伝道書 12章13節

 

 

あぁ。

神はおられる。

 

私もいつか、

キリストのさばきの座の前に、

立つ日が来るのだ。

 

 

神はおられる。

人は神を、

恐れて生きなければならない。

 

 

神、

そのお方の名は、

イエスキリスト!

 

S氏は、

神のみを頼って生きることを決意し、

会社に辞職を告げる。

 

貯蓄を、

全額、寄付する。

 

S氏は帰国し、

聖書を学んでいた日基の教会で洗礼を受ける。

 

そして、

主が教会で出会わせてくださった女性と

結婚する。

そして、

全国にある

キリスト教の神学校を調べ、

ある神学校に入学する。

 

1929年、

イギリス人宣教師レオナルドWクートが

奈良県生駒市に創立した

プロテスタント系(聖霊派)の神学校、

生駒聖書学院

である。

S氏は、

聖書学院での学び終えると、

渡米する。

 

そして、

レオナルドWクート宣教師が戦時中に

テキサス州サンアントニオ市に設立した

International Bible College

(インターナショナル・バイブル・カレッジ)で学ぶ。

 

そしてそこで、

私に出会って、

私は救われる。

 

S牧師。

ありがとうございます(涙)。

 

イエスさま。

ありがとうございます(涙)。

 

 

 

私もなりたい。

 

私も牧師になりたい。

 

 

何年、かかってもいい。

 

 

高校中退の俺だ。

牧師になれるどうか、

分からない。

でも、

でも見つけたんだ!

 

成りたいものを!

見つけたんだ!!

 

 

俺も牧師になりたい!

 

まだイエスさまのことを知らない人に、

イエスさまを伝える人に、

成りたい。

 

 

牧師に、

なりたい。

 

 

 

牧師に、

 

なりたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハーフ牧師が行く 21話

続く、、、