ハーフ牧師がゆく 4話

「希望」に燃えて入学したが、

私は希望に燃えて、

某工業高校に入学したが、

ところが登校初日に、私は失望してしまう。

なぜなら、

生徒がみんな

男だからだ。

・・・・・

気持ちを擬音で表現するなら、

ガビーン!」

ある。

と、と、と、と、と

とにかく気持ちを切り替えて、

楽しい高校生活を送るぞー

( ;∀;)

 

 

「アッハッハッハ。お前ら部活は決まったか?

 まだか?

 よっし。一緒に空手やろう!!」

I先輩の大きな声と、

I先輩の大きな体に引っ張られて、

とりあえず空手部に、体験入部することになった。

道着に袖を通すと、

昔読んだ漫画「空手バカ一代」を思い出した。

う~ん、俺ってかっこいい~(笑)

幸せだな~。

空手は楽しいなぁ~。

気が付くと、

あっという間に3か月が過ぎていた。

 

個人的に一番楽しいと感じるのが「組手」だ。

「寸止め組手」ではない。

殴る蹴るが自由な「防具付組手」だ。

これが楽しい。

大声を出して、力の限り相手にぶつかっていく。

うおらあああああああああ!!!

殴る、蹴る、殴られる、蹴られる、

う~ん、楽しい。

 

本当は俺なら、

いじめっ子たちとケンカしても、

勝てたんじゃん?

そう思った。

 

「防具組手」

こんなに楽しいことは無い。

 

一緒に入った同級生たちには、

私は防具付組手では負けなかった。

それどころか、

先輩たちにも引けを取らなかった。

 

けれど、

I先輩にだけは、まったく歯が立たなかった。

それもそのはず。

I先輩は九州2位で、全国区の猛者だったのだ。

かっちょいぃ~(涙)

私はI先輩が大好きであった。

I先輩に、どこまでもついていくぞ!!!

と思ったら、

3年のI先輩たちは、夏の大会が終わると引退してしまった。

ガビーン!

ある。

 

 

Z400FX。くぅ~。かっこいい~。

私の学んでいる学科は自動車科である。

私や友人たちの興味は自然と車やオートバイに移って行った。

話題は漫画の「メカドック」や「バリバリ伝説」

「あいつとララバイ」等で盛り上がった。

 

I先輩のいない空手部は、

私にとってビーフの無いビーフカレーのような感じで、

いつの間にか空手部のある体育館には近づかなくなってしまった。

 

さて、オートバイを手に入れれば、

私も「バリバリ伝説」や「あいつとララバイ」の主人公たちのような、

楽しい学生生活が送れるのかなぁ?

中型オートバイ購入資金を稼ぐため、

私は直ぐに近所のスーパーマーケットで働きだした。

 

これがなかなか、

楽しいのだ。

こんなに楽しいのに、お金ももらえる。

 

新聞配達は黙々とした仕事だったが、

スーパーの仕事はとにかく「人」と関わる。

お客さんと関わる。

仲間たちと関わる。

仲間たちには、

同じぐらいの年頃の女の子たちもいる。

 

良いねぇ。

私にはこの仕事が気に入った。

というか、向いていた。

 

スーパーマーケットの年末商戦は異常であった。

人の波が押し寄せてくる。

 

当時のレジは、

現在のようなバーコード方式ではない。

値段の数字をボタンにいちいち押打ち込むのだ。

それも素早く!

 

素早く商品の値段を読み上げ、

素早く商品の数字を打ち込み、

素早く商品を隣のカゴに入れる。

 

素早くお客さんからお金を受け取ると、

素早く正確に預かったお金をレジに打ち込み、

画面に示されたお釣りを、

素早くレジから取り出し、

素早くお客さんにレシートとともに手渡す。

 

笑顔で。

 

丁寧に。

 

ゆっくりと。

 

 

なんとスリルに満ちた仕事か。

ゲームみたいだ。

ほかにもいろんな雑務があるが、

とにかくそのすべてが面白かった。

楽しい。

そのうち、

売り上げが、下がった上がったで

一喜一憂するようにもなっていた。

「やった~!今日は180超えましたね!」

 

「・・・・。

砂川、お前、うちに就職しないか?」

 

「はぁ?」

 

店長に声をかけられた。

嬉しかった。

 

 

 

やっとクリスマス商戦が終わり、

一息つけた。

閉店後、

誘われて仲間たちとおしゃれな店に出かけた。

天井からつるされたモニターではレベッカが、

クリスマスを激しく歌っていた。

もちろん飲むのはコーラだけど、

とてもとても嬉しかった。

大人の仲間入りを果たしたような。

 

自分の居場所を見つけたような。

 

 

 

気分は最高。

幸せだぁ~。

 

将来は正社員になって、

アパートを借りて、

愛する人が出来て、

結婚して、

幸せな家庭を持って、

子どもたちを愛して、

その夜、私は事故った。

午前1時か、2時か、

痛~~~~いぃぃ・・・

というか、

熱いぃぃぃ

しばらくして、

通りかかった車が止まってくれて、

女の人が緊張した声で呼びかけてきた。

「大丈夫ですか? 大丈夫ですか?

救急車を呼びますか?」

女の人は救急車も呼ばず、

悲鳴を上げて去って行った。

 

ガビーン!

ある。

どれぐらい時間がたっただろうか?

車は一台も通り過ぎなかった。

 

私はクラクラする頭をもたげて、

目を上げると、

教会がそこにあった。

 

十字架が輝いている。

 

クリスマスは教会へ?

へ~、教会もクリスマスをするんだぁ~。

 

クリスマスは

神の一人子のイエスさまの

誕生を祝うイベントである。

 

が、そんなことも私は知らなかった。

 

 

私はスーパーの店員になる、という夢を持った。

しかし神さまには、

別のプランがあったようだ。

 

 

 

 

 

私達の人生では、

時々、

事が自分の思い通りにいかない時がある。

 

 

その理由は、

神さまがその人を「み手の中に握っているから」ではないか?

と私は思うのだ。

 

もしかしたら、

今このブログを読んでいるあなたも、

自分の思い通りにことが進まなくて、

苦しいところを通っているのかもしれない。

 

 

もしそうだとしたら、

あなたに伝えたいことがある。

 

神さまはあなたを愛している。

 

そして神さまは、

あなたという存在を、

「み手に握っている」と。

 

 

 

だから、

どうかがっかりしないでください。

 

そんなに悲しまないでください。

 

そんなに落ち込まないでください。

 

 

あなたは愛されています。

 

あなたは大切な存在です。

 

あなたは尊い存在なのです。

 

 

あなたは、

神のみ手に握られているのです。

特別愛されている人なのです。

 

 

 

神さまはあなたに

もっと素晴らしい

素敵な人生プランをお持ちなのです。

 

 

 

わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、

わたしの道は、あなたがたの道と異なるからだ。

─【主】の御告げ─

天が地よりも高いように、

わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、

わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。

旧約聖書イザヤ書 55章 8、9節

 

 

 

大丈夫です。

大丈夫。

 

 

 

ハーフ牧師がゆく

続く

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